【保存版】簡単!たくさんのPDFファイルを一括でパスワード設定・解除する

PDFファイルを一発暗号文書!で一括でパスワード設定・解除する

業務上、毎月決まった日に、決まったPDFファイルを各所・各人に送信する作業はありますよね。

例えば、
●毎月月末に取引先に請求書のPDFファイルを発送する
●従業員の給与明細をPDFファイルで発送する
●毎月指定日に業務レポートや分析レポートを関係部署に発送する など

こんな時、パスワードは発送先ごとに決められた固定パスワード名をつけている場合も多いですね。
PDFファイルへのパスワード設定は、一括でまとめて設定できれば効率的なルーチン作業になります。

一発暗号文書!プロフェッショナル版では簡単に一括パスワード設定が行えます。
それぞれのファイルに異なるパスワードをまとめて設定することができます。

※一発暗号文書!スタンダード版で複数のファイルにまとめてパスワード設定をする場合は、同じパスワードをそれぞれのファイルに設定します。異なるパスワードを個々に設定したい場合は、パスワードを都度入力してファイルに設定します。

その手順を紹介しましょう。

CSVファイルを作成し、コマンドでパスワード設定を実行

一括処理のためのCSVファイルを作成します。CSVファイルなんて知らない、自分ではCSVファイルなんて作れない、と思わないでください。
EXCELファイルのように簡単に作成できます。
このファイルさえあれば、毎月のパスワード設定が一括で簡単にできるのです。

「コマンド」という言葉になじみがなく、システム関係者しか操作できないと思わないでください。パソコン不得手者だって簡単に実行できます。
まずはやってみましょう。

とても簡単!Batファイル(バッチファイル)での実行
batファイル(バッチファイル)はコマンドの実行をファイルのダブルクリックで実行してくれるファイルです。バッチファイルを作成して、デスクトップにショートカットキーを貼り付けておけば、アイコンのダブルクリックで簡単にコマンドを実行しパスワードの設定をまとめてしてくれるのです。
実行結果を吐き出すファイルの設定方法
batファイル(バッチファイル)を実行する際に、パスワードの設定・解除の実行結果をファイルに出力させることができます。どのファイルに何のパスワードを設定したのか後に確認できるように、実行結果を記録しておきましょう。
一括処理でパスワードを解除する方法
batファイル(バッチファイル)で一括解除もできます。便利なのは、設定時に出力した出力ファイルをコマンド実行時のcsvファイルとして利用できることです。

CSVファイルの作成方法

まずは一括パスワード設定するためのCSVファイルを作成しましょう。CSVファイルはExcelで作成します。
1. Excelを立ち上げ以下の情報をセルに入力します。
A列:実行日時(空白のまま)
B列:ファイルパス(パスワード設定をするPDFファイル名をフルパスで設定)
C列:新しく設定するパスワード
D列:現在のパスワード(空白のまま)
E列:ステータス(空白のまま)
1行目:分かりやすいように項目名を入力しておきましょう。その際、先頭に必ず「;」(半角セミコロン)を記述しておきます。先頭に「;」があるとコメント行とみなし、パスワード設定の実行処理からはずします。
2行目以降:パスワード設定するファイルとパスワードを記載しておきます。

2. セルに必要事項を入力し終えたら、ファイルを保存します。

保存時の「ファイルの種類」を「CSV(コンマ区切り)(*.csv)」としてファイルを保存します。

ここでは「請求書PWD一覧.csv」というファイル名で保存しています。

 

3. Excel上のファイル名が「請求書PWD一覧.csv」となり、csvファイルとなっていることが確認できます。

4. Excelを終了し保存されたファルダから「請求書PWD一覧.csv」をメモ帳で開いてみましょう。

「,」(カンマ)で区切られたテキストファイルが存在しています。先頭行にはコメント行の印の「;」がついています。この「,」(カンマ)区切りのファイルがcsvファイルなのです。
作成は簡単ですね。

5. さあいよいよコマンドで実行してみましょう。

まずは、コマンドプロンプトで正しくコマンドが実行されるか確認してみましょう。

Windowsでコマンドプロンプト(cmd)を開く方法はいくつかあります。以下に代表的な手順を紹介します。

(1) ショートカットキーを使用

    • 手順: Windowsキー + R を同時に押します。 表示された「ファイル名を指定して実行」ダイアログに cmd と入力し、Enterキー を押します。

(2) スタートメニューから起動

    • 手順: スタートボタンをクリックします。 「Windowsシステムツール」フォルダ内の「コマンドプロンプト」を選択します。 または、検索ボックスに cmd と入力して表示された結果をクリックします。

(3) エクスプローラーから起動

    • 手順: エクスプローラーを開きます。 アドレスバーに cmd と入力し、Enterキー を押します。

(4) ショートカットを作成

    • 手順: デスクトップ上で右クリック → 「新規作成」 → 「ショートカット」を選択します。 項目の場所に cmd.exe を入力し、ショートカットを作成します。 作成後、タスクバーにピン留めすることも可能です。

 コマンドプロンプトが表示されたら、以下のコマンドを入力します。

「OfficePWComX set C:\TMP\blog\請求書PWD一覧.csv」
※「\」(バックスラッシュ)は「¥」(エンマーク)です

OfficePWComX:コマンド名
set:パスワードを設定するサブコマンド
C:\TMP\blog\請求書PWD一覧.csv:読み込ませるcsvファイル

※【重要】
初期値のままインストールした場合は、以下のフォルダにコマンドがあります。
C:\Program Files (x86)\InnovationMirai\OfficePwV5\OfficePwComX.exe
どのフォルダからもコマンドが実行できるように、以下の手順でパソコンのシステム設定しておきましょう。
「コントロールパネル>システム>システムの詳細設定」
設定方法は「一発暗号文書!オンラインマニュアルP41」をご覧ください。
コマンドが見当たらないなどのエラーが表示される場合は、コマンド名(OfficePwComX)をフルパス(C:\Program Files (x86)\InnovationMirai\OfficePwV5\OfficePwComX.exe)で記載すれば実行できます。
フルパス記載例:
C:\Program Files (x86)\InnovationMirai\OfficePwV5\OfficePwComX.exe set C:\TMP\blog\請求書PWD一覧.csv」

6.「Enter」で実行され、コマンドプロンプトに実行結果が表示されます。

コマンドで簡単に一括パスワード設定ができることが分かりましたね。更に操作を簡単にするために、次はBatファイル(バッチファイル)の作成に挑戦しましょう!とても簡単です。

とても簡単!バッチファイルの作成方法

コマンドプロンプトをいちいち開いてコマンドを実行するのは面倒です。そこで、Batファイル(バッチファイル)を作成しておきましょう。
1. メモ帳でバッチファイルを作成します。
コマンドプロンプトに入力したコマンドラインをそのまま記述するだけです。
ここでは「seikyuansi.bat」というファイルをメモ帳で作成しています。
コマンド名:OfficePWComX
サブコマンド:set(パスワード設定)
サブコマンド:-o 処理結果の出力情報を書き出すファイル名をフルパスで記述
(-o については次のステップで説明しています)
ここでは「-o C:\TMP\blog\result.csv」は記述なしで「OfficePWComX set C:\TMP\blog\請求書PWD一覧.csv」の記述だけでも結構です。
実行するcsvファイル:フルパスで記述
名前を付けて保存したら完成です。ファイルの拡張子は「.bat」で保存してください。
保存の際に注意事項があります。ファイル名に日本語が使われている場合は文字コードを「ANSI」モードで保存しましょう。
2. さあ、Batファイル(バッチファイル)が完成しました。

3.作成したBatファイル(バッチファイル)をダブルクリックすると、処理が実行されます。

もっと簡単なのはBatファイル(バッチファイル)をデスクトップ上にショートカットアイコンとして貼り付けておくことです。

「seikyuansi.bat」ファイル上で右クリック→「ショートカットの作成(s)」をクリックすると、デスクトップ上にショートカットアイコンが表示されます。

このアイコンをダブルクリックするだけで、パスワードの一括設定が実行されるのです。
ほら、簡単!

 

バッチファイルの作成は簡単ですね。コマンドプロンプトから実行するより、バッチファイルを大いに利用していきましょう!

実行結果を吐き出すファイルの設定方法

コマンドの実行は、実行結果がデフォルトは画面上での表示になります。そのため、Batファイル(バッチファイル)を利用してコマンドを実行処理すると、実行結果が画面上に一瞬表示され、コマンドプロンプト画面がすぐに消えてしまいます。
実行結果をテキストできちんと確認したいですよね。もちろんできます。以下のようにBatファイル(バッチファイル)に記載してください。
1. メモ帳でBatファイル(バッチファイル)を開き、サブコマンドを追記する。
-o:アウトプットファイルを指定するサブコマンド
出力するファイル名:出力したいファイル名をフルパスで記述(csvファイル)
2.上書き保存後、Batファイル(バッチファイル)を実行します。
3.出力ファイルとして記載したcsvファイルが作成されます。
4. 出力ファイルをダブルクリックして内容を確認します。
①A列:パスワード設定した実行日時が記載されています
②B列:実行したファイル名が記載されています
③C列:新パスワードは空白です
④D列;設定されたパスワードが現パスワードとして記載されています
⑤E列:処理結果が記載されます 0:正常終了
簡単でしたね。本記事ではPDFファイルについて記載していますが、ExcelファイルでもWordファイルでも同じです。また、ファイルの種類がいくつ混在していても同じです。パスワード設定したいファイルをcsvファイルに記述するだけです。毎月のルーチン作業を簡単・ラクにしたい時は「一発暗号文書!プロフェッショナル版」を使いましょう。 👉 ご利用はこちらから

パスワード解除の一括解除方法

パスワード解除も同様に一括して実行することができます。
コマンドで一括パスワード設定を実行した場合は、実行結果の出力ファイルを利用するととても便利です。
先ほど実行結果の出力ファイル「result.csv」を利用しましょう。
1. 実行結果の出力ファイル「result.csv」を開き、A列:実行日時を削除し保存します。
(出力結果を残しておきたい場合は、別の名前で保存しましょう)
 2. Batファイル(バッチファイル)を作成します。
サブコマンドは解除サブコマンドの「remove」です。
-o の出力ファイル指定もしておきましょう。
実行のcsvファイルは「result.csv」に書き換えます
Batファイル(バッチファイル)をダブルクリックすることで、パスワードの解除がまとめて行えます。
「一発暗号文書!プロフェッショナル版」ではパスワードの解除とパスワードの再設定を同時に行えます。次の記事で紹介します。 👉 ご利用はこちらから